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議員院内集会から「第三者事故調・創設」を読み解く

『悉く官僚を遠ざけ、第三者事故調の法制化にもブレーキを掛けてきた民主党』しかし、この政党を『凋落は時間の問題』と読んだ?厚労省は昨秋から攻勢に転じ、今秋の臨時国会に向けて法制化に大きく舵を取ったと思われます。
最近の厚労省「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」で民主党の後押しで選任されたと思われる構成員らの発言は宙に浮き、厚労省の思惑でいよいよ加速し始めた印象を受けます。
それらを踏まえ、14日に行われた議員院内集会から今後の展開を読み解いてみましょう。


★パネリスト      ★発言する川田龍平議員ら ★参加者との質疑応答


[1] 院内集会の着目点

ヽ得党が参議院選挙マニフェストに第三者事故調をどう盛り込むか
厚労省(医政局)がこの集会で何をコミットするか
F本医師会らが医療側の立場で何を課題とし、どう反応するか

[2] 各政党のコメントから

自民党:福岡議員の経験不足は否めないが、民主党政権以前に大綱案(頓挫)を纏めた責任政党としての立場は理解していると見受けられた。しかし「仕組みについては皆さんの意見も踏まえつつ・・」と言った通り一遍の回答は物足りない。

共産党:小池晃(政策委員長)氏は自民党政権下(民主政権以前)、野党の立場で大綱案に関わった経験から豊富な見識を披露。
「党としてマニフェストに盛り込んである。調査費用負担を被害者に求めるべきでない。院内事故調に第三者参加を担保し、公開を原則とすること」しかし共産党らしく?警察介入には否定的。「医療側からの調査依頼も同等扱いにすべき」などとコメント。

みんなの党:川田議員は患者側に立った事故調を強調。「医療側も応えようとする動きは感じるが、何んといっても政権与党の意向が決め手になる。被害者団体は自民党のキーパーソンに直接訴え続けること、実運用は予算が鍵になる」と強調。「マニフェストには既に盛り込んだ」と被害者側を後押し。

民主党:山井和則衆院議員が書面で回答したが、極めて内容が乏しく、「(下野したので)厚労省の検討部会の運営に関われない」と、影響力が行使できなくなった本音を露呈する形になった。マニフェストにもノーコメントで失望させる内容。

生活の党:はたともこ参院議員は予算委員会出席のため、急遽文書で回答。「地域医療基本法を優先させるが、第三者事故調も党内で検討したい」と述べ、マニフェストは無回答。一年生議員で力量は不明だが、薬科専攻の経歴を生かした医療事故防止活動に期待したいところ。

社民党:福島瑞穂党首は文書回答。「厚労省の検討部会で法制化が現実のものとなった」と評価し支持を表明。(マニフェストには盛り込み済み)

みどりの風:谷岡郁子代表名で文書回答。法制化を支持。マニフェスト無回答。

公明党:無回答

新党改革:無回答(舛添代表は大綱案に深く関わったにも係らず本人の参院選挙で余裕なし?)

日本維新の会:無回答(マニフェストはこれから検討)

政党関連総括:自民政権の元で共産、みんなの党、社民、生活の党は如何に影響力を行使できるかが鍵。公明党の動きは不明。その他の党は期待できず。全体としては予算確保が今後の重要課題。

[3]  厚労省・医政局の発言から

大坪医療安全室長は言葉を選びながら大綱案が頓挫した事を述懐し「平成24年から加速すべく検討部会を立ち上げ、その成果が出つつある」と強調。
院内事故調について「調査を怠るような医療機関があれば厳しく臨む」と言明。今後の詳細な詰め(費用負担)の議論に関して「厚労省は飽くまでも中立的立場で係る」と述べ、その上で「今秋の国会に上程したい」と述べた。
機構を公的にするか、民間にするかについて「厚労省内部には医道審などもあってややこしいこと、早く立ち上げたいという理由で公的機関を避けたい」とかわした。

官僚らしく言葉を選び、中立を盾に自ら案を出すことを避ける(検討部会で指摘されなければ盛り込まない?)と言う官僚くささは有るが、手際のよさが窺えるので実現化に期待。

[4] 日本医師会・高杉常任理事の発言から

「医療は医療者、患者が共に闘うもの」と協調性を主張した上で、原因究明、再発防止のための機関の必要性を認め「院内調査が重要」と強調。「医療界が積極的に議論に加わるような意識改革が生まれてきた」と自讃。「すばやい対応が必要なので院内調査優先」というロジックに終始。

質疑の中でも、外部委員(第三者)の参加の是非にも曖昧な回答が見受けられ、(例:医師にはそれぞれ専門分野があり、個々に主張も異なるなど)、被害者側から「医療側で意見がバラバラでは困る」という苦言も出た。

[5] 医療安全調査機構(社団法人)の話から

既存の医療事故調査機構(モデル事業)として当該機構の紹介があり、死因究明や訴訟低減に大きな役割を果した成果が披露されたが、一方で前民主政権の『事業仕分け』で予算が圧迫されたことも紹介された。

討議でも経費に関する課題や、この機関の認知度が低いなどが指摘されたが、更に議論を深めなければならないのは、この機構と法制化される新機構がどうマージされるのか、構成理事をどうするか(現機構は医療関係者で占められている)など、課題が見える。

[6] 総括

大熊由紀子コーディネータ(国際医療福祉大大学院教授)の軽妙洒脱な進行の中、核心をつくQ&Aをこなしながら一時間半の集会を終了、最後に『声明』が読み上げられ、散会となりました。
医療安全調査機構(木村事務局長)は『院内調査-先に有りき』志向。「第三者も医療関係者でなければならない。それで解明できなければ専門性の高い委員(医療関係者)を入れ、それでも納得できなければ医療関係者以外のメンバー(法曹界など)に入ってもらって社会的評価を受ける」とした三段階のプロセスを披露。会場(NHK記者)から「院内調査は<お友達調査>を危惧せざるを得ない。原発事故、いじめ問題など内部調査の公平性、透明性欠如は周知の事実。多段なプロセスは迅速な対応に欠け、真相究明の機会を逸しかねない。」と言った意見が出されましたが、これは今後の大きな争点になると思われます。この問題は運営資金の出所とも絡むので、資金は中立的なものでなければならないと考えます。
いよいよ次回の厚労省「検討部会」でどのような叩き台が厚労省から提示されるのか注目されます。

余談ですが、大坪医療安全室長から「我々の推進室は平成13年に創られた若い組織」と紹介がありました。しかし、民間組織なら10年以上経って成果が得られなければとっくに解体されているでしょう。お役所とは言え、『若い組織』と言っている時期はもう過ぎました。ここでアウトプットを是非とも!


議員院内集会、盛会に終わる

第三者医療事故調機関の創設を求める集会は議員、行政関係者、報道関係者、医療事故関係者など100名を越える参加のもと、今秋の臨時国会法制化に向けて実質的討議が行われました。
民主党のもとで停滞していた法制化がいよいよ現実のものとなってきました
。(討議概要は追って紹介予定

岡山と隣県の皆さんへ「医療被害者交流会in岡山」

医療被害者の方々を対象に「交流会・懇談会」が下記の通り開催されます。

【日時】 11月11日(日)13:00〜16:30
【場所】 岡山シティーホテル桑田町 3F 会議室301
     (IR岡山駅・徒歩7分 岡山市北区桑田町3‐30 TEL;086-221-0001)
【地図】 http://www.jalan.net/uw/uwp0400/uww0401init.do?yadNo=338600

【目的】 医療事故などの被害者、ご遺族の方々からお話を頂き、状況を共有する
【対象】 中国・関西・四国などに在住されている医療被害者・ご家族の方
【費用】 無料、事前申し込み不要

ご参加の方でご自分の経験をお話し頂ける方は、A4サイズ1〜2枚程度にご自身の事をまとめたものをご持参ください(メモでも可)

【コーディネータ役】 
     医療過誤原告の会      会長 宮脇正和
     医療の良心の守る市民の会  代表 永井裕之
【問合わせ】
     永井裕之 FAX;047-380-9806 , 携帯;090-1795-9452
          e-mail;hnagai@max.hi-ho.ne.jp
【懇親会】
  交流会終了後、17時頃から近くの居酒屋で懇親会を行います。
  是非ご参加ください。 懇親会費:実費精算(3千円程度)

九州の皆さんへ:「医療基本法に向けてのシンポジウム」

【標題】 患者も医療者も幸せになれる医療をめざして
【主催】 医療基本法・福岡シンポジウム実行委員会
【日時】 11月10日(土)14:00〜17:00
【場所】 パピヨン24ガスホール3F(福岡市博多区千代1-17-1パピヨン24)
【参加費】無料(事前申し込み不要)
【連絡先】患者の権利法をつくる会 092-641-2150
 http://kenriho.org/news/topics/fukuoka%20sympo%2020121110.pdf
当ブログで紹介した福岡市の出産死亡事故がシンポジウムで事例紹介されます。

東京医大顧問弁護士の発言から(於・医療問題弁護団35周年記念シンポジウム)

 本日(9/20)「医療問題弁護団・35周年記念シンポジウム」が開催されました。(参加者:240名・法曹界、医療界、被害者団体、学会、メディア関係者など)

医療問題弁護団は医療事故に遭った患者、遺族側に立って弁護活動する組織ですが、その記念シンポジウムに医療側弁護士(全日本病院協会顧問)の立場で東京医大顧問を務める宮澤潤弁護士が参加しました。
当ネットは、このようなシンポジウムに医療側弁護士として参加した宮澤氏の姿勢を高く評価したいと思います。

ここでシンポジウムの全てを紹介することは出来ませんが、懸案事項である「第三者事故調」に関し、厚労省検討部会の構成員でもある宮澤弁護士から注目すべき発言がありましたので紹介します。

医師に刑事罰を課すかどうかの議論で宮澤氏は「軽過失は免責すべき」と前置きした上で、重過失について「故意であればチーム医療をやっている以上(是非は)分かる。その場合、刑事罰は避けられない。」
又、第三者事故調を公的機関でやるか民間でやるかについて「医療界が民間を考えているのは承知している。しかし私は公的でなければ難しいと考えている。」更に「第三者事故調の報告書を被害者に渡せば、それを見て被害者は(納得いかなければ)警察に行くことになる。」として実質的に刑事免責は困難との見方を示しました。

厚労省の検討部会で未だこの辺は議論されていないとしながらも、宮澤氏が上記のような見解を示しましたので、同部会で今後、彼がどのような発言をするか注目して参ります。
尚、ジャーナリスト鳥集氏が「被害者は病院のカルテ改ざんや隠蔽工作と戦っているのが現状」と述べたことに対し、宮澤氏は(一部の中小ベンダーや医院は兎も角として)「電子カルテが導入されつつあるので改ざんしてもログを見れば隠せない」との見解を示しました。しかし、私達はこの考えは極めて甘く、大手ベンダーや大規模病院であってもIT界のセキュリティはイタチゴッコ(ログ消去海賊ソフトのネット流出)である事を強く認識すべきである、と考えます。


医療問題弁護団・鈴木代表挨拶 パネルディスカッション

       

案内「医療問題弁護団・35周年記念シンポジウム」

「医療事故対策の現状と課題〜医療問題弁護団の政策形成への関わり〜」
【プログラム】
・第一部:弁護団報告
・第二部:パネルディスカッション
(当会会員が被害者として、東京医大顧問弁護士が医療側の立場で登壇します)

【日時】10月20日(土)14:00〜17:00(開場13:30)
【場所】中大駿河台記念館2階281号室(御茶ノ水駅徒歩3分)
【参加費】無料、 事前申し込み不要
【連絡先】医療問題弁護団 03-5698-8544
http://www.iryo-bengo.com/

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