< 2017年04月 |  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  | 2017年06月 >
Home  > 寄稿 >  死者からの手紙「東京医大カテーテル誤挿入事件」顛末記その8(患者を疑う前に自分を疑いなさい)

死者からの手紙「東京医大カテーテル誤挿入事件」顛末記その8(患者を疑う前に自分を疑いなさい)

前回の話(7月24日)を続けましょう。

「患者を疑う前に自分を疑いなさい」
人は過ちをおかすものです。
この●麻酔科医師は肝心の大静脈を外し、中心静脈カテーテルを在らぬところに挿入してしまったのです。

●麻酔科医師は法廷の証人尋問で「挿入時、少し引っかかりを感じたが、経験上、有り得る範囲だった」「バックフローはどちらかというとジワ〜と出る感じだったが、別に異常ではなかった」と証言しました。
少し引っかかりを感じたら、その後のバックフローの有無には細心の注意を払うべきでしょう? 大静脈にまともに入っていたら「ジワ〜と出た」なんて素人が考えても有り得ませんよ。管の先端を心臓より低いところまで下げたら「圧」で血液が勢い良く出てくるくらい、誰にだって分かりますよ。

医療事故に限らず、先に自分を疑わないため大事故につながるケースはよくあるでしょ?
先日のアシアナ航空の失速事故(SFO)だってパイロットが自分のミスを疑う前に機械の故障を先に想定したようですが、医療現場でも似たようなことはありませんか?
「医療機器の調子が悪いから誤動作しているのでは?」「臨床検査技師が数値を誤って記入したのでは?」「技師が下手だから妙な映像になっているのでは?」「この症状はこの患者だけの特異ケースに違いない」とか・・・・。
でもその前に自分の判断能力を疑ってみることでしょうね。他人の命を預かっているのですから過信はダメです。

「なぜ、見過ごされたのか」
この●麻酔科医師の場合、誰も挿入の現場を見ていないのです。ダブルチェック体制が出来ていないのです。
しかも、手術に予定外の時間を要したので早く切り上げるため、心理的に余裕がなくなり焦った形跡があります。他の医師の手前「ちょっと気になるから経過観察に注意してほしい」とはプライドが許さなかった???この情報は、私の事件を内偵した記者から漏れてきたものです。
焦って早く切り上げようとしたオチャラカタイプで不器用な●麻酔科医師の大失態。
法廷では如何に自分は経験豊富であるかを主張しましたが、回数が多いということは他にも犠牲者が多いという事になりませんか? あなたが関わった他の死亡事故でも思い当りませんか?

自分の体験を後輩に語りなさい」
この事件を契機に東京医大はIVHカテーテル挿入時、必ず複数人が立ち会うこと、レントゲン写真(カテーテルだけで血管は映らない)のみに頼らず、超音波確認が義務付けられることに変わりました。
遅きに失した対策ですが、この●麻酔科医師が麻酔科認定医取得プログラムの講師として壇上に立つのであれば、自分の事例を赤裸々に語ることが最大のメッセージになるでしょう。それとも法廷証と同じように「自分は間違っていなかった」と説くのでしょうか?

今日(8月3日)は私の事故発生日です。(続く)

麻酔科認定医取得プログラム(公開資料)
http://101.dtiblog.com/i/iryoujikonet/file/20130724111121.pdf

アーカイブス
http://iryoujikonet.dtiblog.com/blog-entry-288.html
http://iryoujikonet.dtiblog.com/blog-entry-249.html
http://iryoujikonet.dtiblog.com/blog-entry-248.html
http://iryoujikonet.dtiblog.com/blog-entry-241.html
http://iryoujikonet.dtiblog.com/blog-entry-218.html
http://iryoujikonet.dtiblog.com/blog-entry-173.html
http://iryoujikonet.dtiblog.com/blog-entry-168.html

▲page top